PDPとは何か

PDP(Problem-Discovery Process)

「困りごと」と「問題」

看護管理者は日々の業務の中で、時間外勤務の多さ、スタッフ同士の不和、やる気のないスタッフへの対処など、さまざまな悩みを抱えています。そして看護部長たちは、師長らの悩みへの対処、離職率の改善などに頭を悩ませています。ほとんどの看護管理者は、このような悩みに対し有効な解決策を見出すことができず困っているのではないでしょうか。私たちの提示する問題解決過程においては、これらの「どう解決したら良いか分からない悩み」を「困りごと」と呼び、「有効な解決策があるもの」を「問題」と呼んで区別します。

なぜ人は困ってしまうのでしょうか。それは、「問題が複雑に絡み合っていて原因が分からない」からです。大勢のスタッフが連携して働き、高度で煩雑な業務をこなさなければならない看護の現場においては、生じてくる「困りごと」はとりわけ複雑になります。人は、すぐに解決策が思い浮かぶ「問題」のレベルにまで落とし込めていれば、困ることはありません。いつもの解決策を実行しても通用しないとか、あるいは何をしたら解決できるのかわからず手も足も出ないようなものに直面して初めて「困った」と感じ、途方に暮れてしまうのです。

まずは「困りごと」から始める

ある程度の経験のある看護師であれば、誰しも上司や医師に「結局は何が問題なの?」「僕は何をしたらいいの?」などと聞かれたことがあるのではないでしょうか。何が問題でどんな解決策を取れば良いかがわからないから、状況を報告して相談しているのに「何が問題なの?」「何をしたらいいの?」と聞かれても、本心は「それがわからないから相談しているんですけど…」と言いたくなってしまうでしょう。スピードが求められる医療の仕事では、何が問題で、次に何をするのかを判断することが求められます。しかし、複雑な状況を前にして、誰もが的確に問題を把握し、次に解決策を設計できるわけではありません。状況がよくわからない時ほど、「何に困っているの?」「どう困っているの?」と質問し、複雑な状況を一緒に解きほぐす支援が必要なのです。

問題(problem)の設定が鍵となる

困りごとはとても大きく複雑なので、そのままの形で原因を考えたり、解決策を考えたりしようとしてもうまくいきません。そこで重要なのは、適切な問題を「発見」(設定)することです。困りごとを様々な角度から分析・分解し、「これならば自分にもすぐ解決可能だな」と思える問題を抽出できれば、解決に向けた具体的な行動計画を立てることができるからです。

本プロジェクトでは、問題を発見し、具体的な行動計画を導き出す一連の過程を”Problem-Discovery Process”(PDP)と名付け、その過程を支援するためのフレームワークを開発しました。PDP フレームワークは、「困りごと整理シート」と「行動計画立案シート」という2枚のワークシートによって展開されます。本サイトの資料コーナーより、ワークシートのPDFをダウンロードすることが可能です。